ホーム>CMS制作の進め方 2
機能も確定していないタイミングで、出来ることが多いツールを選ぶような、馬鹿げたことは止めるべきです。
CMSは設計が終了した時点で、コストとやること、開発期間等を検討しCMS導入を行ってください。
Webサイトの目的が明確であり、成果が定量化されていて、ターゲットユーザーが決まり、それに相対するコンテンツの整理も出来ている。
それに応じたサイト構造やページの設計も出来ている。
文字制限等は、あまり厳密に考えられていないにしろ、この状態こそがCMSツール導入のスタートラインです。
CMSツールを導入する範囲を明確にし、共通コンテンツを洗い出す、さらにコンテンツ管理者とその役割を明確にすることです。
今まで、承認フローがなかった会社にとって、その体制を構築することは、Web構築よりも敷居が高い場合もあります。
これまでのWeb構築の進め方では全く考慮されていなかったこの部分は、CMSツール導入が困難である要因の一つに挙げることが出来ます。
CMSツールを導入するメリットは、各ページに掲載する同一の情報を一元管理出来るようになることが大きなメリットです。各ページそれぞれを更新することなくサイト内全ての情報が更新されるということです。
このためコンテンツそれぞれの掲載内容を洗い出し、どの情報が共通化できるかをまとめる流れ作業が、CMSツール導入のはじめの一歩になります。
そこで洗い出されたコンテンツのオーナーを明確にすることと、コンテンツを公開するまでのそれぞれの役割を明確にして、承認のワークフローを構築することが最優先タスクになります。
これは、事業会社にとって非常に時間の掛かる調整が必要な場合が多いはずです。
「要件定義」では、機能要件と非機能要件、さらにワークフローパターン定義を行います。それに基づいてプロトタイプを構築します。
やりたいことが実現できているかを、クライアントだけでなく制作側も確認することが出来ます。
機能要件とは、サイト共通の情報を管理する機能、コンテンツそれぞれの情報を管理する機能の要件を決定します。
またフォームやサイト検索などそのサイトに必要な機能についても要件を決定します。
非機能要件とは、動作環境やセキュリティまわりの要件を決定します。
ワークフローパターン定義とは、コンテンツの管理者、CMSツールに組み込む公開のフローの登場人物の検討を行い、ワークフローのパターンを確定します。
共通項目部分から、表示形態を洗い出して、コンポーネント化していきます。これを組み合わせていけば、テンプレートの概要が完成します。
管理・運用を考えれば10テンプレート程度まで、絞り込むことをお勧めします。
そもそもCMSツールで管理することが最適なのかというそもそもの問題も検討すべきです。
共通部分でない、個別で使用するコンテンツの中で、特にキャンペーンや特集ページなどは、フッダーとヘッダーの管理程度に留めておくことが、利用者にストレスを与えないCMS構築の肝かもしれません。
全てをツールで制御しようとしない、これも是非心がけておいて下さい。
一対一で更新するコンテンツに関しては、部分最適が可能ですから、設計に問題があり、あとから分かっても改修可能かもしれませんが、共通部分は、そこだけの問題ではありませんから、慎重な設計が求められます。
さらに要件定義内容をもとにそれぞれの機能の表示の仕方、文字数、入力項目の種類を決定します。
CMSツールを利用して、全て新規に立ち上げる場合は問題無いのですが、現状コンテンツを移行する部分がある場合は、データ移行の問題を事前に検討しておく必要があります。
そもそもほとんどのCMSツールが、開発完了後にコンテンツを投入する必要があります。単に管理ページに、データを入力するだけでなく、関連性等の紐付けを行う必要があります。
CMSツールを導入するくらいのWebサイトの規模であれば、投入時間も馬鹿になりません。1日1人で20ページ程度の投入量を想定しておいて下さい。1000ページあれば、50人/日にあたります。現実的にこれだけの工数を取ることは不可能です。
ですから商品情報など、きれいにフォーマット化されている部分は、何らかのツールを用意して、自動で投入できるように事前に考えておく必要があります。
CMSツールの中には、現状のコンテンツを、そのまま取り込めることをうたい文句にしているツールもあります。
これは、CMSの機能を利用しないページのCMSツールへの取り込みには、威力を発揮しますが、CMSの機能を利用できる投入が行われるわけではないことを、確認しておくべきです。
単にヘッダーとフッターが差し変わると考えて頂ければ、大きく間違ってはいないと思います。