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CMS構築の考え方2

CMSの概念は、ワンツーワンマーケティングの基盤を形作り、さらに社内のコミュニケーション改善にも有効に機能させ、企業内の壁を感じさせないWebサイトを構築することができます。

CMSはWebサイトを究極の小売店にする

実現可能なワンツーワンマーケティング

CMSの概念はWebサイトを究極の小売店に変貌させることができます。

たとえば下町の商店街にある魚屋さんにAさんの奥さんが訪れた場合を考えてみましょう。
お客さんが訪れれば、魚屋のおやじは「Aさん、いらっしゃい!」と顧客名を明確にして挨拶するはずです。
これは、インターネットでよくある「Aさん、ようこそ」というマイページに当たります。
インターネットの教科書にある「ワンツーワンマーケティング」なんて、日本では実は昔からどこでもやっていたことなのです。

さらにおやじは続けます。
「今日はおいしいマグロが入ったよ」。
商品のお勧めです。
新製品の紹介やお勧め情報、これはインターネットでいうレコメンドに当たります。
インターネットであれば関連情報や購買履歴によるレコメンドは当たり前のように行われています。
しかし、魚屋のおやじのレコメンドとは少し違います。
今日おやじが見てきた一番お勧めできるものを勧めます。
これは小売店のアイデンティティに関わる問題で、単に趣向性などでレコメンドするよりは、そのお店、そのおやじのコンセプトを伝えることになります。
ここはWebサイトを構築する場合も見習うべきところではないでしょうか。

さらにおやじは購入を決めた奥さんに語りかけます。
「4人分に切っておいたからね」。
当然のようにこの魚屋のおやじは、奥さんの家の家族構成も知っています。
これがインターネットにおける顧客データベースに当たります。
さらにおやじは、「味噌をつけて焼くとおいしいよ」と語りかけます。
これはインターネットでいえば、さしずめ付加価値情報に当たります。
さらにおやじは、「お宅の息子さん、昨日夜遊びしていたよ」等の高付加価値情報まで提供してくれます。

ユーザとこういったワンツーワン(One to One)の関係を構築することは、これまで大手の企業は苦手としていました。
しかし、インターネットの出現により、小売店のサービスレベル、これを大企業が手に入れることができるかもしれません。
ただし、これを実現するためにはCMSの概念が必須になります。
企業にとってチャネルとしてのWebサイトはまさに究極の小売店だと言えます。
これは、直販をしているいないにかかわらずです。
しかし、ほとんどの企業がWebサイトを有効に活用できていません。
Webサイトを有効に活用するためには企業がこのチャネルで、ユーザに対して小売店レベルのきめ細かいサービスを提供しなければならないと理解する必要があります。
もちろん、人手を使って個別で対応するなど、本来の小売店のようなサービスを提供することも考えられますが、それでは費用対効果がまったく合わなくなります。
CMSの概念を取り入れることによって、ユーザ主導ではありますが、ユーザが自分自身で問題を解決することにより、リアルでサービスレベルの高い小売店と同じサービスを、大企業が、そのサービスに比べてローコストで提供可能になります。

企業内の壁をユーザに感じさせないために

ある規模以上の企業になれば、それぞれの事業部が独立してビジネスを進めているケースが多く見られます。
すると、事業部の壁という問題がでてきます。
リアルのサービスでもバーチャルのサービスでも、ことあるごとにユーザは事業部の壁、もしくは企業内の壁を感じることになります。「それは、担当が違います」、「これはここでは修理できません」等々。
ユーザは、その企業に対して、サービスや回答を求めているため、企業側が担当ではないと発言するというのは本来あってはならないことです。

しかし、現実では様々なシーンでユーザが企業内の壁を非常に明確に感じるタイミングがあります。
また当然、企業内に壁があるのでカタログを作るときや、Webサイトを作るときの商品の並べ方や、カテゴリ分けなどにも問題が生じます。
企業にとってもコスト高、人員負担増等の問題が発生します。
ユーザにしてみれば「何に使う」とか、「どんな目的で使う」とか、もしくはユーザが理解できる商品カテゴリ分けをしてもらうのが一番見やすく、分かりやすいというのは誰が考えてもわかる話です。

さらに関連商材をワンストップで見せてもらえれば、それに越したことはありません。
ところが、まだ多くの企業が事業部ごとにカタログを作ったり、事業部ごとのカテゴリで商品を分けたりしています。
ここでもユーザは企業内の壁を感じるわけです。
企業にとっては当然事業部が違うので、ある商品と別の商品は違うページに載るのが当たり前のように考えてしまいがちです。
しかし、ユーザにとっては「この商品とこの商品は同時に使うでしょう?」「同時に買う可能性があるでしょう?」、もしくは「付属品でしょう?」それが当たり前の発想です。

もしかしたら、これらが企業がユーザにサービスを提供する場合の一番大きな壁なのかもしれません。
しかし、CMSという概念がこの壁を打ち破ってくれるかもしれないのです。

コンテンツを整理するタイミングで、部門だとか部署だとか、ユーザには必要ないもの、分かりにくいもの、分からないもの、こういったものは、ユーザが見る部分でのカテゴリ分けに影響しなければ、企業側に壁があってもかまわないのです。
企業側でCMSのデータベースに入力する担当者が、事業部ごとにばらばらでもまったく問題はありません。
ユーザが見る画面で、ユーザに必要な情報が表示されればかまわないのです。
さらに、ユーザが欲しいと思う商品群、欲しいと思うカテゴリで表示されるような形に制作することも可能です。
ここでポイントになるのは、CMSの概念が企業内の壁を取り去るという話になっていないことです。
企業内の事業部ごとに切り分けがあってもかまわないのです。
つまり、CMSという概念のもとに、共通のフォーマットでそれぞれの事業部がデータを入力し、それを一元管理してユーザのオーダーに適合する形で表示する。
こうすることによって、ユーザが問題を解決する際に、企業内の壁が感じられなければよいということなのです。